DJI ZENMUSE-XT(赤外線サーモセンサー)の検証 その3 舗装点検

赤外線サーモセンサーを使用しての舗装点検の検証として、町道のアスファルト舗装の温度分布状況を赤外線カメラによって観測し異常箇所点検を行ってみました。

この場所は過去、道路の多くの部分で陥没があり舗装の修復もされています。地形的に谷部になっており地下水路の通り道があるのかもしれません。

検証方法はZenmuse-X5(可視光カメラ)とZenmuse-XT(赤外線カメラ)でそれぞれ垂直写真を撮影し、検証地区のオルソ写真(可視光・温度分布)を作成します。これをアプリケーション上でオーバーラップし温度の異常箇所の特定を行い、現地調査とFLIR TOOL(解析ソフトウエア)で詳細な確認を行います。

 

 

Zenmuse-X5(可視光カメラ)とZenmuse-XT(赤外線カメラ)のオルソ写真によるオーバーラップ

赤外線カメラで作成したオルソ写真の表示方法は、道路内の上限値下限値に合わせて色別けと透過率設定を行い、それ以外の値については透過処理を行いました。

今回はGCPを設置をしていないオルソ写真のなので、当然きれいに重なり合いませんでした。赤外線カメラで作成したオルソ写真を4枚に分割してジオリファレンス処理を行いオーバーラップを行っています。分割しないとジオリファレンス処理をしてもセンサーごとに撮影条件や機器が全くが違うため細部にずれを生じてしまうのです。

 

何箇所か気になる場所があったのですが

赤丸内に2本ライン状に温度変化部分が見られます。周囲の温度に較べて低く、可視光カメラのオルソ写真を見ると舗装は比較的新しく変状は見られません。

現地で確認しても舗装の変状等や舗装下の横断管渠等も確認出来ませんでした。水の流れた跡とライン状の温度分布が同一方向なので、もしかしたら鋪装下部分に水が流れて路盤等に変状があるのかもしれません。

実際のところ電磁波レーダを使用するか、舗装を撤去してみないと温度変状の正確な理由は解りませんが面白い結果を得る事が出来ました。もう一歩突っ込みたいのですが、この先は専門家とのタッグが必要ですね!

DJI ZENMUSE-XT(赤外線サーモセンサー)の検証 その2 夜間飛行ほか

ZENMUSE-XT(赤外線サーモセンサー)の夜間飛行の検証を行ってきました。暗闇において人または動物等を発見することが可能なのでしょうか?!

 

検証場所は周囲に家屋や電線等もなく、害獣が発見されることもあり夜間の飛行にはうってつけの場所でした。もちろん飛行申請(夜間飛行の包括申請)は行っております。

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午後10時に飛行開始しましたが街灯も何もなく真っ暗。車のライトが頼りです。

 

バッテリー3本分色々と近辺を捜索しましたが大型の動物は見つける事が出来ませんでしたが、周りの景色や飛行の状況を確認する事は全く問題ありませんでした。

小型の動物(何か解りませんが)を捉える事は出来ましたがこれでは面白くありません。

 

 

19mmの焦点距離でどの距離高さを変更しどの程度の範囲が写るのか試してみました。(別の日の昼間に撮影)

高度30m 距離50m

高度50m 距離80m

高度100m 距離150m

昼間に撮影したものなので周りの温度が高く鮮明には見えませんが、150m離れても確認は可能でした。やはり夜間で周囲の温度が低い場合の方が視認性は良いようです。

 

次にセンサーと被写体の間に障害物がある場合、どのように見えるのか検証しました。

この程度の木が生い茂った林道の中を人が歩いた場合

木が無い場所

 

木のある場所

 

という訳で障害物が無ければ良いのですが、障害物が有る場合は色々な角度で撮影することが必要となります。また被写体が動いていれば分かり易いですが動いていない場合は、周囲の温度が高い場所との区別がつきにくいです。おそらく間隙率が低い本当に木が生い茂った状態の山の中では上空から探索は難しいでしょう。

この検証の後、実際に行方不明者の捜索協力をさせて頂きましたが、夜間は周囲の温度の関係でサーモセンサー、昼間は他の人や動物との区別がつかないのと、衣服が分かり易い色だったため可視光カメラを使用して捜索を行いました。

DJI ZENMUSE-XT(赤外線サーモセンサー)の検証 その1

先日、待望のZENMUSE-XTが納品されました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

購入したXTはZenmuse XT-R(ZXTA19FR 640×512,30Hz,19mm)というモデルで焦点距離が19mmです。

ピクセル毎に熱情報を0.1度解像度で持っておりモニター上で温度を計測することができ、また、モニター上の指定したエリア内の最高・最低温度を探す事も可能です。

撮影した写真はEXIFに熱情報をもつR-Jpegというフォーマットで記録され、ピクセル毎に温度情報を持っており、専用の解析ツールを使用して上限・下限の温度を指定することで、撮影時のモニタリングよりも詳細な温度分布での解析が可能となります。

XT-Rには何種類かの焦点距離が用意されていますが、購入した19mmはかなり画角が狭くズームした感じになります。その分、点検対象からは距離を取ることが出来るので建物・構造物の点検では安全かもしれません。ただ、広範囲をモニターする用途だと高度や距離を多くとる必要があるので少し使いづらい恐れもあります。知人が9mmの焦点距離のXT-Rを持っているので比較しましたがかなり画角が違います。使用用途によって焦点距離を使い分けるのが一番でしょう。

 

まずは太陽光パネルの検証を行ってみました。

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サーモセンサーでモニタリングしてみると周囲の温度と明らかに違う場所があります。

映像を元に現地調査すると、パネルの隙間から雑草が伸びて太陽光を遮っていました。

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この異常箇所はかなり距離がある場所からでも点検が可能でした。

 

R-Jpegファーマットの静止画からオルソフォト(航空写真)の作成が行えるのか検証してみました。コンクリート舗装の進入路があり上空を80%程度のオーバーラップで撮影。PhotoScanでオルソフォトを作成したものが以下のものです。

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作成は可能ですが、PhotoScanは温度情報なんか扱えませんから、画像処理での解析を行い最終的なオルソフォトにも熱情報はありません。

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オルソの拡大図

広域のサーモイメージを作成して画像から判断することは出来ますが、詳細な温度分布を解析することは出来ないようです。これも使用用途によって撮影方法や解析の方法を変える事が必要です。これらは他に方法があるかもしれないので今後の課題です。

 

 

コンクリート構造物や建物の外壁の検証も行ってみました。

残念なことにZENMUSE-XTはOSMOには装着出来てもモニタリングは出来ません。が、撮影は上下逆さまになりますが出来るようです(笑)。とりあえずINSPIREに装着した状態で市道の橋脚を調査してみました。

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温度異常の箇所が見つかったので、可視カメラと比較してみました。

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赤外線カメラで観測した異常箇所を確認すると、表面の塗装部分が浮き上がり、下部からの遊離石灰が見られました。コンクリートのひび割れ部分からのものだと思われ、B箇所についても同等でした。

 

当社の社屋にて検証を行いました。

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赤外線カメラでは明らかに異常箇所と思われる箇所があり周囲との温度差は2度程度でした。通常写真で確認しても異常は発見出来ません。

外壁は塗装してから一年程度しか経過しておらず傷みも無く遮熱塗料のため膜圧も厚く外からの判断は難しいかもしれませんが、外壁コンクリートの剥離やひび割れが原因だと思われました。

異常箇所の発見は出来ますが、判断をするにあたっては専門家の意見を求める事が必要であるため、この辺りは体制づくりからですね。

夜間飛行編へ続きます!

岡山県ドローン協会発足式

10月6日(木)、岡山市の神崎山公園競技場で開催された 「岡山県ドローン協会発足式」に参加しました。

岡山県ドローン協会は、当社を含めドローンを活用する岡山県内の企業約20社による発足となります。

ドローンが一同の介した光景は、圧巻です!!ドローン整列

この日の発足式では、集まった会員企業各々が持ち寄ったドローンで飛行訓練を実施したり、互いの技術情報を交換し合ったりしました。

開会

会場で当社が準備したドローン機器です。
他企業様方も当社ドローンに興味深々のご様子でした。

ドローンセット

会員企業間での技術情報交換では、当社空撮業務サービス向上のヒントを模索です。

技術交換

飛行訓練では、同時に各々のドローンを飛行させ、これまた中々お目にかかれない光景でした。
残念ながら、当社ドローンは電波状態が悪く飛行させることができず・・・。

飛行訓練

また、会場にはマスコミ関係の方々も参加されておりドローンへの関心の高さが伺えました。

インタビュー

発足式の最後は、集合写真をパチリ!!

集合写真

この後、会場を移し座談会にて有益な情報交換行いました。

当社は、これまで以上に空撮業務サービス向上に努め、ドローンを使った新ビジネスを模索しつつ、協会活動を通し岡山県のドローン業界活性化に貢献してまいります!!